こころ朗らなれ、誰もみな/アーネスト・ヘミングウェイ(柴田元幸訳)

GW前に部屋の掃除をしていた。
以前途中で断念してしまったヘミングウェイの短編集を見つけた。

ヘミングウェイといえば、BANANA FISH。

BANANA FISHといえばヘミングウェイ。

しか頭の片隅になかった。

戦争から戻ってきた兵士、戦争のさなかの兵士たちの会話・・・ヘミングウェイの戦争体験が話しの根底に見え隠れする。

中でも「兵士の地元」の話が好きだ。

戦争を終えて故郷に戻ってきた兵士、クレブス。
しかし、彼の帰郷は遅すぎて、地元では英雄の帰還を称えるものはいなかった。

彼は、久しぶりに帰ってきた地元の女の子たちが歩くのを眺める。
漠然と女の子が欲しいと思っていたが、手に入れる為の苦労はしたくなかった。

男はまず、女なんかどうだっていいさ、女のことなんか考えやしないよ、女なんかに振り回されるもんか、と自慢する。
それから今度は、女なしじゃいられない、いつも女がいないとダメなんだ、女なしじゃ眠れないんだ、と自慢したりするのだ。
みんな嘘だ。どっちも全部嘘だ。女の子たちのことを考えない限り女の子なんて要らない。
そのことを彼は軍隊で学んだ。やがて、遅かれ早かれ必ず女の子ができる。本当に機が熟したら、かならず出来るのだ。
考える必要はない。遅かれ早かれ時は来る。そのことは軍隊で学んだ。

死と隣り合わせの戦場から地元の「日常」に戻ってきた彼の目には、あらゆる物事は厭世的に映ったのかもしれない。誰かを愛するとか、神様に祈るとか厄介としか捉えられない。

たった13ページの文章なのに、感情的ではなく、無駄がない文章。

たしかタイトルがいいなあと思って買ったんだった。短編のどれもタイトルがかっこいい。

ヘミングウェイの名作を読まずにきてしまったので、老人と海から読んでみよう。BANANA FISH読み返したくなってきた。

2018年シンガポールの旅(最終日)

最終日。

お粥フリークとしては、ぜひシンガポールで朝粥を食べたい。

チャイナタウンのホーカーにある「真真粥品」で朝ごはん。

ピータン×鶏肉×白魚が入ったお粥。小を頼んでもすごいボリューム。

ピータン苦手だけど刻まれていたので分からない。

美味しいけど例えようがない複雑な味。

飲み物はアップルパイナップルジュース。青々しい。

セントーサ島へ移動し、USS(ユニバーサル・スタジオ・シンガポール)。

園内は小さいので、2時間もあれば周れてしまう。

一番面白かったショーが、清掃員のおっさん4人衆(という設定)のショー。

60’s70’sの音楽をダンスと共に歌いまくるおっさんたち。

「君の瞳に恋してる」が流れると観客である色んな国の人が一斉に踊りはじめ、フラッシュモブ状態。

私は日本人ならではのシャイっぷりで踊るタイミングを逃す。

アラブ系の方々はさすが腰がくねくねしててうまかった。

リベンジ・オブ・ザ・マミー。暗闇の中疾走するジェットコースター。

絶叫嫌いの自分は断念。オブジェの作り込みがすごい。

そして写真に収めている場合じゃなかった「ジュラシックパーク」。これはショーもアトラクションも過激だった。とりあえず全身水をぶっかけられる・・・かけられたくないのに、かけられたい自分がいる。面白かった。

 

USSの後は「ウィングス・オブ・タイム」という海上ショーを見る。

公演は19:40と20:40の2回。事前にチケットを購入できるので、予約したほうが安全。今回はこちらから購入。

→Voyagin:https://www.govoyagin.com/ja/tickets/singapore/sentosa

最後、スーパーでお土産を物色。今回はビボシティにあるジャイアントというスーパーでお買い物。

スーツケースが小さいのと、この後台湾も控えているので、安定のタイガーバームを購入。赤は温かくて肩こりや筋肉痛に。白はスース―して頭痛に効く(らしい)。

右側の虫よけスプレーは、オーガニックなので子どもにも使える。レモングラスの香りが強いけどいい匂い。

シンガポールは基本バスで、MRTはほとんど使わなかった。

シンガポールにもsuicaやpasmoみたいな「ezlink card」があるので、

一枚持っていればとても便利。

今度シンガポールに行くときは、ぜひカジノに挑戦してみたい。1万円賭けても30分ももたなかったという友人談を聞くと恐ろしい気もするけど・・・

さて今回シンガポール旅の次の目的地、台湾の高雄へ向かう。ここから本当のひとり旅。

2018年シンガポールの旅(3日目)

シンガポール3日目。

この日は世界遺産のボタニックガーデンを一時間程散策。

またまた中野美奈子ブログでチェックしていたカフェ(どんだけチェックしてるんだ)で遅めのブランチをすることに。「PS.Cafe

こちらのカフェはボタニックガーデンから徒歩20分くらい。暑かった。ほんとは歩く距離ではないかもしれない。。。

そして歩いた先に突如オアシスみたいな感じで現れたお洒落カフェ。

店内は平日でもほぼ満席。今回は入れたけど予約したほうがよさそう。

まずは、名物メニューと聞いていた白トリュフ・フレンチフライ。

シーザーサラダからの

ステーキサンド。

このステーキサンドが滅茶苦茶おいしかった!

2人でお腹いっぱい食べて一人4千円くらい。贅沢なランチ。日本でも中々ないけどたまには良しとする。

次に行ったのが、かのタイガーバーム社が作ったというテーマパーク「ハウパーヴィラ」。

 

クレイジージャーニーでもお馴染み佐藤さんの奇界遺産で紹介されていた場所。

写真は一枚しか撮っていない。理由は写真に残すのも怖くなったというビビリな自分。

始めは変なオブジェやらなんやらを見て笑ってたけど、だんだんと不気味になってくる。「もしこのまま帰れなくなったらどうしよう・・・」と悪い妄想まで膨らむ始末。

入園料は無料。私はちょっとオカルト的なものを感じてしまったけど、マニアにはたまらない場所だと思う。

夕飯は、友人旦那さん合流して「スープレストラン」のジンジャーチキン。

この中央にあるジンジャーソースがさっぱりとしていておいしかった。

レタスにキュウリ、湯で鶏、ジンジャーソースを挟んで食べる。

お肉が柔らかくてぺろりと平らげてしまう。

左側は漢方スープで、効能に合わせてブレンドされたスープ。

私のやつは安眠スープ。薬膳っぽいけど豚肉の出汁が出ていておいしい。

下の写真は友人の旦那さんが頼んでいた滋養強壮スープ。高麗ニンジンが苦めで大人の味。

この後、ナイトサファリに連れて行ってもらったのだけど、暗くて写真が撮れなかったのでうまく良さを伝えられない。

お化け屋敷感はすごかった。吊り橋効果抜群。デートにはもってこいの場所。

そして夜遊びも3日目になると、アラサー3人とも眠気に勝てなくなってきたのか動物園のトロッコで仮眠をとるっていう。見れない動物もいたからもう1回行きたい。

ちなみにナイトサファリ行く方は虫よけスプレーは必携です。刺されます。

そんなこんなで最終日につづく。

最終日へ

カコちゃんが語る植田正治の写真と生活/増谷和子

カコちゃんが語る植田正治の写真と生活

風邪をひいて寝込んでしまった。日本に帰ってから気温差が激しい。暑いところにいたから余計につらい。。早く治そう。

久しぶりに本について。

昔から植田正治の写真が好きで、鳥取県の植田正治美術館へ足を運んだことがある。美術館が自然の中に溶け込んでいて、すごく感動したのを思い出した。

この本は、植田正治の娘さんが父について語ったエッセイ。

写真が多く収録されていて、文章に合わせて著者の思い出が語られる。

有名な作品たちがどうやって撮られたのか、

植田正治はどういう人物だったのか、

身近な人の目線で綴られる文章の中には愛情が滲みでている。

中でも植田正治が奥さんを撮った写真が好きで、

はっとする美しさってこういうことなんだと思う。この表情がなんとも言えなくて見惚れてしまう。

植田正治は買いもの好きで、贈りもの好き。

その土地でいちばんすてきなものを選び、奥さんに紬などを買ってきていた。

奥さんはそれを仕立てて大切に着ていたというエピソード。

現代では考えられないけど、こんな夫婦の関係性憧れる。

植田正治の写真は「砂丘モード」など洗練された写真ももちろんかっこいいけど、

家族を撮影した写真は、エッセイを読むと家族に対する温かい目線が感じられて、

さらに好きになった。

「砂丘モード」より

2018年シンガポールの旅(2日目)

2日目。暑い。

午前中に軽くリトル・インディアで市場を散策した後、

中野美奈子ブログを読んでチェックしていたお洒落カフェでお茶をすることに。

Chye Seng Huat Hardware」カフェ。

一見カフェには見えない外観。

ショーケースにはケーキが並ぶ。

チョコレートケーキと、カフェラテ。

ケーキは甘くなくておいしい。上がマショマロ。

カフェラテももちろんおいしかった。

内装のランプも工場っぽくてかっこいい。

お客さんはヨーロッパ系外国人や、ビジネスマンが多い。

この時、カウンターの隣に座っていた日本人男性に話しかけられ、

「さっそくきたか!」とふとシンガポールラブストーリーが浮かんだものの、

相手は仕事の出来そうな年配のおじさまでした。2日後には日本帰るって・・・やはりビジネスマンはハードですね。

その後、お昼ごはんに「ソンファ・バクテー(Song Fa Bak Kut Teh)」へ。

念願のバクテー。ここソンファ・バクテーはシンガポール国内に何店舗があるらしく、私たちはNew Bridgeにある本店へ。(本店は古い感じで、隣に綺麗な姉妹店がある)

胡椒がかなりきいててご飯がすすむ。さらに揚げパンみたいなやつも頼んで、

浸して食べる。癖になる味だ。シンガポールでは朝食に食べるそう。

一緒に頼んだプーアール茶。鉄観音。本格的な茶器セットが出てきてテンションがあがる。インスタ映えね。

味の濃いバクテーと、このお茶の組み合わせが最高。

 

 

さて、所変わって一応マーライオンを冷やかしがてら見に行く。

マーライオンは小ライオンと、大ライオンがいる。

舐めてかかってたら、意外と迫力があって良い。

それにしても、外国の方はなんであんなに自撮りが好きなんだ。ポージングもうまい。

夜、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの無料で見れるショーを芝生に寝転んで見た。

これもまた無料だからな。。と舐めてかかったら、ディズニーメドレーと共に壮大なエレクトリックなショーが15分間。

シンガポールこんなショーを無料で毎日。。。太っ腹だなあ。

最後は夜の締めくくり。レッド・ハウスの「チリクラブ」。

仕事終わりの友人の旦那さんが合流。英語は旦那さん頼み。

私たちは流暢な英語で注文する旦那さんを見守るのみ。出されたものを食べる。

チリクラブは結構辛めだったけど、カニの身がプリプリしててとてもおいしかった。

ずっと私たちのテーブルの面倒を見てくれていた店員さんがおかずクラブのゆいPに似ていて。私の言葉が通じなくてもゆいPは目を合わせるだけで色々と察してくれる素晴らしい店員さんだった。

3人でも全て食べきれず、ゆいPに頼んだらお持ち帰り用に包んでくれた。ゆいP、ありがとう。

チリクラブは結構なお値段がするのに、夫妻のご厚意でごちそうになってしまった。

慈愛に満ちているシンガポール。3日目に続く。

3日目へ

2018年シンガポールの旅(1日目)

一日目。

友人が旦那さんの転勤でしばらくシンガポール駐在することになったので、
「遊びに来てよ!」の一言に甘えさせていただきお邪魔することに。

そして友人から来る前にこれ読んどけと言われた東京カレンダーの記事。
「シンガポール・ラブストーリー」

そう、今回の裏テーマはイケメン商社マンの佐野誠探しの旅になりました。

シンガポールまではマレーシア航空。
航空券を押さえる時、スカイスキャナーとかで格安航空券調べてたら、
安いけど乗り継ぎ時間8時間とかありえないやつも出ててきた。
LCCだとジェットスターか、スクートが安い。
でもオプションの事や到着時間が遅いとかそれなりにデメリットがある。

働いていたらシンガポール航空とか乗ってみたい!と思うけど(働いてても高くて乗れないだろうが)
相対的にコストパフォーマンスが良い航空券を探す事に精を出し、見つけたマレーシア航空。

■マレーシア航空
成田→クアラルンプール乗り継ぎ→シンガポール  35,000円 (乗り継ぎ時間含め11時間くらい)

サイトから直接手配した方が安かった。
何はともあれ出発。

マレーシア航空機内食。これはチキンパスタ。普通にうまい。右の方に見えるMORITA、ゼリーだと思って開けたら天然水だった。ドリンクくれたのにね。謎。

無事、シンガポールのチャンギ空港着。

4泊5日友人宅に泊めていただくので、旦那さんへ芋焼酎と、
友人へあんこ等々日本食材セットをお土産に持って行った。
お酒はシンガポールでは税金が高いようで、喜んでもらえてよかった。

友人のマンションから見た夜景。基本マンションにプールついてる仕様らしい。
リゾートホテルみたい。そしてホテルのようなゲストルームを用意してくれていた・・・友人と旦那さん神。ありがたや。

夜も遅いので近くのホーカー(屋台)で海老麺と、サトウキビジュースを。

サトウキビジュースは沖縄とかであるかもしれないけど目の前で絞ってくれて

自然な甘さでおいしい。

明日へ続く。

2日目へ


旅から戻りました。

2週間ほどシンガポールと台湾へ旅行に行ってきました。
台湾もここ数日肌寒かったけど、日本はさらに寒い。
さて、今回は2週間を機内持ち込み用32Lスーツケースと、普通のリュック一つという無謀な軽装備で乗り切ってきました。

自分の備忘録と反省と、これから旅行する人の為の参考になればと思い、
ちょこちょこ更新していきます。番外編。

MW[ムウ]Ⅰ・Ⅱ/手塚治虫

手塚作品だと後期作品が特に好きだ。
ブッダ、火の鳥、アドルフに告ぐ、そしてこのMW。

眉目秀麗で有能な銀行員「結城」と神父の「賀来」二人の男が主人公。
二人は、15年前に秘密化学兵器ガス・MWの事故によって全滅させられた「沖ノ真船島」の生き残りである。
結城はMWの後遺症を負い、当時事故を隠蔽した関係者に復讐をするため、次々と犯罪に手を染めていく。
一方、賀来は結城の犯罪を止めようとするが、神父という立場でありながら、
結城の誘惑に負け、神に背く行動をとってしまう。

1976年に青年誌ビッグコミックで連載開始したこの作品。
「アトム」など少年誌の要素はまったくなく、残虐で悪魔的な人間が描かれている。
何より、手塚治虫が同性愛を描いたっていう。エロいし、グロい。
今ではBL漫画なんて普通だけど、当時だったらかなり革新的だっただろう。
1970年代といえば、萩尾望都「ポーの一族」、竹宮恵子も「風と木の詩」を発表してるし、
BL史の先駆け的な作品の一つだったのかもしれない。

この作品を読んだ時、真っ先に胸糞悪さが残った。
犯罪を犯す結城が常に一枚上手なのだ。
結城という人物に「男と女」「善と悪」の境界を超えさせることで、
自分の常識や正義を疑えと言われているような気がしてくる。

「悪は成敗される」といった類の話は今まで幾度となく目にしてきた。
でもそんな単純明快な事ではなく、「裁かれない悪」の存在に心を惹かれてしまう。
MWを開発した国、保持した政府、隠蔽した役人だって悪だし、結城の犯罪に手を貸してしまう賀来神父も悪だ。
ラストに描かれる結城の微笑みの意味。
人間の愚かさと矛盾を嘲笑うかのようでぞっとする。

ぼくのおじさん/北杜夫

私の中で北杜夫=どくとるマンボウのイメージが強い。
中学生くらいの時、図書室に置いてあったのをちょこちょこ読んだ記憶があるが、
映画化のタイミングで北杜夫読みたい欲に駆られ手に取った。

主人公・小学6年生の「ぼく」と、
大学の先生をやってはいるが、30も過ぎてあまり働かず「ぼく」の家に居候している「おじさん」。

おじさんはいつもゴロゴロして、僕にマンガを買ってこさせようとする、
どうしようもない人間。
早く出て行ってくれないかなあと思いながら、おじさんに振り回されっぱなしのぼく。
ある日、ぼくはそんなおじさんのダメっぷりを書いた作文で入賞し、おじさんとハワイに行くことになる。

「ぼくのおじさん」は子供でも読みやすいように、やさしい言葉で書かれた短編集。
北杜夫自身の、かつてダメな「おじさん」だったころの思い出と、
執筆当時(1964年4月)に海外渡航の自由化が実施された時代背景がテーマとして描かれている。

小学生の「ぼく」の視点から描かれる「おじさん」は基本いいかっこしいである。
口だけは達者で、行動が伴わない。

ここでいう「おじさん」はまるで自分を映し出されているようで、
ドキッとする。私のことですか。

ぼく:「おじさんて、あんがいなにも知らないんだね。」
おじさん:「そんなことあるものか。おじさんはなんでも知っている。
ただこどもが知っているようなことは知らないんだ。それは頭脳のムダだからな。」

大人の武器は、言葉が上手く扱えることと、経験から得たずる賢さだ。
この本の「ぼく」のように、子どもは意外と冷静に大人を観察している。
尊敬に値する大人か、そうでないかを感じ取っている。

自分が昔大人のことをそう見ていたはずなのに、今は自分が見られる側になってしまった。
大人は物知りで、正しいものだと思っていた子どもは、
今このように働かず、漫画を読み、気まぐれにブログを書いている。

ぼくのおじさんそのものだ。

いつになったら、胸を張って尊敬される大人になれるのだろうか。
とりあえず身近な甥っ子に失望されないよう、「まず」働いて、お子様ランチを奢れば何とか面目は保てるだろう。